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歯周病は早期発見しにくい!重症化すると心疾患、肺炎、早産のリスクも

皆さんこんにちは。

本庄の山本歯科医院です。

 

「最近、口臭がひどい」「歯磨きの時、血が出る」。そんな気になる症状は、歯周病が原因かもしれません。

歯周病は、初期段階では自覚症状が少ないため、なかなか自分では気付けない病気です。

そのため「歯周病かも?」と疑い始めたときには、すでに歯がグラグラしていて抜け落ちる寸前まで悪化していたということもあるのです。

今回は、歯周病が重症化するとどんなリスクがあるのかということと、歯周病を効果的に予防する方法について解説します。

山本 公紀 院長
山本 公紀 院長

山本 公紀 院長

一生涯健康なお口の状態で食事ができ、豊かな心で幸福に暮らせますように、患者様の立場に立った治療を行っております。

医院名:山本歯科医院
所在地: 〒367-0044 埼玉県本庄市見福2-18-26
監修者:山本 公紀 院長

歯周病に気付いた時は悪化している!?

歯周病は、軽度なものを含めると、30歳以上の大人の約8割がかかっているといわれる病気です。

にもかかわらず、初期は痛みなどのわかりやすい自覚症状がありません。自分で気付きにくい、非常にやっかいな病気です。

だからといって放置していると、気付いた時には歯が抜け落ちる寸前まで悪化していたということも珍しくないのです。

早期発見しにくいのに、命に関わるような全身疾患の引き金になることもあるのが、歯周病の怖ろしい一面です。

【歯周病は早期発見しにくい(1)】歯周病は自覚症状が少ない

自覚症状が少ないといっても、注意深く観察すれば歯周病にかかっていれば、その兆候はあります。

例えば、マスクをしている時に自分の口臭が強すぎて耐えられないとか、冷たいものがしみるとか、よく考えてみると「そういえば……」ということがあるものです。

口内にどんな違和感があれば歯周病の疑いがあるのか、あらかじめ知っておけば、早期発見・早期治療しやすくなります。

【歯周病は早期発見しにくい(2)】 早期発見セルフチェック

当てはまるものがあるか、チェックしてみましょう。

歯周病 10のセルフチェック

  1. 口臭がずっと強い
  2. 朝起きた時、口内がネバネバしている
  3. 歯磨きの時に出血することがある
  4. 前よりも歯が長くなった気がする
  5. 歯と歯の間に食べカスが詰まりやすい
  6. 歯がグラグラゆれる、動く
  7. 歯並びが前よりも悪くなった
  8. 冷たいものがしみる
  9. 噛めない、噛むと痛い
  10. 歯肉が腫れぼったい

いかがでしょうか?

ひとつでも当てはまるものがあれば、歯周病の疑いがあります。早めに歯科を受診しましょう。

歯を失うと再生しませんが、軽度のうちに治療を始めると改善しやすいといえます。歯を残したいなら、できるだけ早い歯科検診をおすすめします。

 

歯周病は口だけの病気ではない!命の危険も!?

歯周病は、静かに進行する病気です。

「痛いわけじゃないから別にいいか」などと軽視して放置していると、口臭や知覚過敏が慢性化します。食生活や社会生活にも影響がでてくるようになり、やがて、歯を喪失します。

大変なことですね。しかし、歯周病が巻き起こすトラブルは、口内だけに留まりません。

そうなったとき、口内は歯周病菌だらけです。うようよと菌が存在していますから、歯ぐきから血管に入り込んでしまうのです。

そこから毒素が血管を介して全身を巡り、脳・心臓・肺・腎臓・子宮・骨・関節など、あらゆる体の部位に悪影響を及ぼします。そこで引き起こされるのは、命に関わる危険性をはらんでいる病気です。

【歯周病と全身の病気の関係(1)】重篤な病気を引き起こす

歯周病が重度になると、口内の歯周病菌が血管や気管を介して体を巡ります。歯周病菌が歯ぐきに炎症を起こすと歯肉炎になりますが、血管内で炎症を起こすと動脈硬化になります。

それが脳や心臓で起きるとどうでしょう。心筋梗塞や脳梗塞になって、命を落とすことになりかねません。

【歯周病と全身の病気の関係(2)】発症リスクが高い9の疾患

歯周病をきっかけに発症するとされる代表的な全身疾患は、以下の通りです。

(1)動脈硬化

動脈硬化は、血管が狭くなり、血流を阻害される病気です。

歯周病の原因菌が歯ぐきから血管に入り込んで血管を巡ると、歯周病菌がつくる毒素や炎症物質サイトカインが血管内で炎症を起こし、血管を硬化させ、血栓をつくります。

それによって、動脈硬化が進行することになるのです。

動脈硬化が発生すると、次のような重篤な全身疾患につながります。

(2)狭心症、心筋梗塞、細菌性心内膜炎

心臓の心内膜が歯周病菌に感染して炎症を起こし、心臓の弁が弱かったり障害があったりすると、比較的簡単に壊れてしまいます。これが、細菌性心内膜炎です。

突然の高熱、心拍数の上昇、疲労感などに見舞われ、ショック状態に陥ることがあります。入院・治療をしなければ命を落としますが、抗生物質による治療を行うと回復します。

(3)敗血症

高齢者など抵抗力が弱い人の場合、細菌性心内膜炎が進行して全身に広がり、敗血症になってしまうことも少なくありません。非常に重篤な状態です。

(4)脳梗塞、認知症

心臓の心内膜への歯周病菌の感染と同様に、脳の血管でも動脈硬化が起こり、脳梗塞を発症します。

高血圧やメタボリックシンドロームの場合、発症リスクが高くなります。歯周病の治療と同時に改善を目指す必要があります。

また、認知症の発症リスクが高まるという研究も進んでいます。国内の大学の研究チーム
から、認知症の原因物質であるアミロイドβが、約10倍にも増加したというマウスの研究などが発表されています。

(5)誤嚥(ごえん)性肺炎

中高年になると、飲み込む能力が低下します。そして誤嚥を引き起こし、唾液や飲食物が気管へ入ってしまうことがあります。

その際、唾液や飲食物に付着していた歯周病菌や炎症物質が肺へ入り込み、肺炎を発症するのです。

誤嚥性肺炎による死亡者は毎年多く、高齢者の死亡率の上位をキープしています。

こうした誤嚥という事故から始まる病気にならないためにも、毎日のケアで口内の細菌量をできる限り減らし、飲み込む力などの口の機能が衰えないよう気を付ける必要があります。

(6)関節炎・腎炎

関節炎・腎炎は、ウイルスや細菌の感染も発症の一因です。その原因となる黄色ブドウ球菌や連鎖球菌は、口内にも多く存在します。

それらが歯周病菌がつくる炎症物質と一緒に血管に入り込むことで、関節炎・腎炎を引き起こします。

(7)メタボリックシンドローム、糖尿病

メタボリックシンドロームは、肥満・高血糖・高血圧・脂質異常などが重なり、動脈硬化が起こりやすい状態です。メタボの進行は、歯周病菌がつくる毒素が原因になることが近年の研究でわかってきました。

糖尿病の悪化にも、歯周病菌が影響します。歯周病は糖尿病の合併症ですが、歯周病を治療すると糖尿病も改善するという相互関係が明らかになっています。

(8)骨粗しょう症

骨粗しょう症も、歯周病と深い関わりがある病気です。

歯周病の悪化などで噛む能力が下がるカルシウムやビタミンDが不足しやすくなって、骨粗しょう症を進行させます。

(9)早産、低体重児出産

妊娠している女性が歯周病にかかると、早産、低体重児出産のリスクが高くなることがわかっています。そのリスクは健康な女性のおよそ7倍ともいわれ、喫煙・飲酒・高齢出産よりも危険度が増すといわれているのです。

その理由については、歯周病菌がつくる炎症物質が血流を介して胎盤に届き、胎児に影響を与えると考えられています。

 

歯周病の予防効果を上げるコツとは?

怖ろしい歯周病ですが、予防する方法はあります。
口の中のトラブルだけではなく、全身の病気を引き起こす歯周病は、時には自分や胎児の命までおびやかす怖ろしい病気ですが、生活習慣病というだけあって、毎日の暮らしの中で予防していくことが可能です。

その基本は、毎日の歯磨きです。「歯なら毎日磨いているのに、歯周病になっちゃった!」という人は、磨き方を見直してみるといいかもしれません。

せっかく歯を磨いていても、正しく磨けておらず、歯磨きの目的を果たせていない可能性がありますね。

そこで、歯磨きの効果を格段に上げるコツをお伝えします。

【自宅での歯磨きのコツ(1)】寝る前の歯磨きが大事

歯は、いつ磨いていますか?食後の歯磨きも大切ですが、何より一番大事なのは、寝る前の歯磨きです。

寝ている間は口内が乾燥し、細菌が活発に働きます。睡眠中に歯周病や虫歯を悪化させないためにも、しっかりと歯を磨いてから眠るようにしてください。

【自宅での歯磨きのコツ(2)】1日1回以上はデンタルフロスを使用

歯磨きの目的は、プラーク(歯垢)を取り除くこと。プラーク(歯垢)は、歯と歯の間や、歯と歯茎の境目などにつきやすいのが特徴です。

なんとなく歯を磨くのではなく、プラーク(歯垢)を取り除くことを意識しながら歯磨きをしましょう。

デンタルフロス歯間ブラシなどの、「補助清掃具」を取り入れると、歯磨きの効果が格段に上がります。

【自宅での歯磨きのコツ(3)】口を閉じて2分以上磨く

歯磨きの時、口を開いたままにしていませんか?

もちろん、口を開いたほうが磨きやすい場所もあるのですが、奥歯の側面などはどうでしょう?開いていると、しっかり奥まで磨けていないことに気付きませんか?

口を閉じて、口内のすみずみまで歯ブラシの毛先を当て、2分以上かけて磨くように心がけましょう。

【定期検診&クリーニング】歯科でのプロケアを併用する

毎日しっかり歯磨きをしていても、残念ながらそれだけでは歯磨き不足です。

歯ブラシが届かなくて、セルフケアでは上手な人でも40%くらいは磨き残しがあります。

この歯磨きのレベルをプラークコントロールレコード(PCR)というのですが、さきほど紹介したデンタルフロスを取り入れれば、PCR20%くらいまで磨き残しを減らせます。

そこから磨き残しゼロを目指すためには、歯科で定期的にクリーニングを受けるのがおすすめです。

歯石除去によって口内の細菌をグッと減らすことができて衛生状態が改善できますし、磨き残しを減らすブラッシング方法の指導も受けられます。

定期的なプロケアをとり入れて、歯周病予防の効果を高めましょう。

 

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